こんな人におすすめ
- ミニ四駆のギヤ比で速度がどのくらい変わるか知りたい
- ミニ四駆のギヤにボールベアリングをつけると速くなるのか知りたい
ミニ四駆を速くするために必要なものとして、真っ先に思いつくのがモーターかもしれない。
だが、モーターだけ変えても速さには限界がある。
そこで考える必要があるのがギヤだ。
ミニ四駆にはギヤの種類が複数あり、ギヤを変える事でミニ四駆の速度とパワーをコントロールできる。
今回はミニ四駆のギヤ比を変える事で、速度がどれくらい変わるのかを比較してみた。
最後にはギヤのボールベアリングの有無で速度がどれくらい変わるかも検証している。
ぜひミニ四駆のセッティングの参考にしてもらいたい。
ミニ四駆のギヤ比とは
最初にギヤ比について説明する。
ギヤ比について一通りの知識がある人はこの部分は飛ばしてもらって構わない。
ギア比とはモーターの回転数とタイヤの回転数を表している。
左の数字がモーターの回転数。
右の数字がタイヤの回転数。
例えば、3.5:1(水色)のギヤを取り付けたとする。
その場合、モーターが3.5回転するとタイヤが1回転する。
もし3.7:1(みどり)のギヤなら、モーターが3.7回転するとタイヤが1回転する。
次に数字の大きさの違いについて説明する。
左の数字が小さいほどスピード(最高速度)が上がるが、トルク(パワー)が下がる。
逆に左の数字が大きいと、トルク(パワー)は上がるがスピード(最高速度)が下がる。
なので、基本的には直線コースが多ければスピード重視、カーブなどテクニカルなコースにはトルク重視のギヤをセットする。
ミニ四駆ギヤの種類(ギヤ比一覧)
次はミニ四駆のギヤ比の種類についてまとめておく。
片軸ギヤの種類
片軸モーターに対応するギヤ比は主に5種類。
- 3.5:1(水色)
- 3.7:1(みどり)
- 4:1(グラック)
- 4.2:1(レッド)
- 5:1(ブルー)
片軸ギヤの組み合わせ
ギヤはカウンターギア(2段になっているギヤ)とスパーギヤ(大きな丸いギヤ)を組み合わせて使う。
組み合わせ方が決まっているため、間違えないようにする必要がある。
片軸ギアの組み合わせは以下の通り。
ギヤ比 | カウンターギヤの色 | スパーギヤの色 |
3.5:1 | 水色 | イエロー |
3.7:1 | みどり | イエロー |
4:1 | ブラック | うす茶 |
4.2:1 | レッド | うす茶 |
5:1 | ブルー | きみどり |
通常ミニ四駆本体には1つのギヤセットしか入っていない。
そのため、付属しているギヤ以外を使用する場合はギヤセットが必要となる。
ただし、シャーシごとにギアセットが異なる点に注意。
対応シャーシ:FM-Aシャーシ、スーパー Xシャーシ スーパーXXシャーシ
対応シャーシ:ARシャーシ、スーパー2シャーシ、VSシャーシ
両軸ギヤの種類
両軸モーターに対応するギヤ比は3種類。
- 3.5:1(きみどり)
- 3.7:1(イエロー)
- 4:1(ブルー)
片軸ギヤの4.2:1(レッド)と5:1(ブルー)に対応するギヤは市販されていない。
両軸ギヤの組み合わせ
両軸ギアの組み合わせは以下の通り。
ギヤ比 | カウンターギヤの色 | スパーギヤの色 |
3.5:1 | きみどり | ピンク |
3.7:1 | イエロー | ピンク |
4:1 | ブルー | オレンジ |
片軸ギヤと異なり、セットでは販売されていない。
そのため、必要なギヤを個別に購入する必要がある。
対応シャーシ:MAシャーシ、MSシャーシ
ミニ四駆ギヤ比のタイム比較
ここからミニ四駆のギヤ比のタイムを比較していく。
今回は、ミニ四駆スピードチェッカーを使い300mタイムアタックを行った。
測定条件を以下の通り。
- シャーシ:ARシャーシ
- モーター:ハイパーダッシュ3モーター
- 電池:ネオチャンプ
300mタイムアタックの結果は次のようになった。
ギヤ比 | タイム[秒] |
3.5:1 | 31.21 |
3.7:1 | 33.78 |
4:1 | 36.09 |
4.2:1 | 37.21 |
5:1 | 43.09 |
グラフからわかるように、ギヤ比の左の数字が小さいものはスピード重視のギヤのためタイムが良い。
ギヤ比が大きくなるにつれて、徐々にタイムが落ちていった。
最終的に、ギヤ比3.5:1とギヤ比5:1では、約12秒の差だった。
ミニ四駆ギヤ比の速度比較
先ほどのタイムアタックの結果から、速度を計算して再度比較してみる。
ギヤ比別の速度は以下の通り。
ギヤ比 | 速度[km/h] |
3.5:1 | 34.60 |
3.7:1 | 31.97 |
4:1 | 29.93 |
4.2:1 | 29.02 |
5:1 | 25.06 |
グラフからギヤ比を1段階変えると約1〜4km/h速度が変わっている事がわかる。
ギヤ比3.5:1とギヤ比5:1では、約9km/hも速度が違う。
この結果から、ミニ四駆の速度を上げるためには、モーターの種類を変えるだけでなく、ギヤを変えるだけでもかなりの速度アップが期待できると言えるだろう。
ただし、今回の測定はスピードチェッカーを使用したタイムアタックである。
あくまでも平坦な直線での比較なので、テクニカルなコースなどパワーを必要とする場合には結果は異なる可能性があるのであしからず。
ミニ四駆ギヤとベアリングの必要性
ギヤセットの中にはボールベアリングが含まれている。
このボールベアリングはカウンターギヤ(2段になっているギヤ)に装着すると速度が上がると言われている。
タミヤの公式HPにも、ボールベアリングをつけることで駆動ロスを減らし、スピードアップにつながると書いてある。
果たしてボールベアリングをつける事で、本当にスピードアップの効果はあるのだろうか?
実際にボールベアリングの有無による速度の違いを比較してみた。
測定条件は先ほどと同様、300mのタイムアタックのタイムを比較する。
測定したのは以下の3種類。
- ベアリング無し
- プラベアリング(プラスチックのベアリング)
- ボールベアリング
ボールベアリングの速度比較の結果は次の通り。
ベアリングの種類 | タイム |
ベアリング無し | 35.62 |
プラベアリング | 35.18 |
ボールベアリング | 34.59 |
わずかではあるが、ボールベアリングをつけた場合が一番速かった。
次いでプラベアリング、そしてタイムが最も遅かったのがベアリング無し。
ボールベアリングとベアリング無しでは、約1秒ほど差があった。
たった1秒と思うかもしれない。
だが、その1秒でレースの勝者が変わるのがミニ四駆である。
正直、ベアリングをつけるだけでここまで差が出るとは思っていなかった。
もしギヤにボールベアリングをつけていないなら、つける事をおすすめする。
プラリングからボールベアリングに変えるだけでも、約0.5秒の速度アップが可能だ。
この0.5秒が勝敗を左右するかもしれない。